小説で計る自分の恋愛観

今から遡ること数十年前の中学生だった頃、ティーンエイジ向けの恋愛小説をよく読んでいました。10代の女子達の間で最も人気があったのは看護師の女性と患者である男性の悲しい恋を描いた物語でした。切なくて苦しいストーリーに涙を流しながらも一途に男性を思うヒロイン憧れを抱いたものです。あれから時を経た今、純粋無垢だった中学時代がとても懐かしく思えます。この長い歳月の間、人を好きになりそれなりに経験を踏んできました。そのせいか情熱的というよりも穏やかに愛を育みたいという思いが強くなったものです。こうした気持ちもあり手に取る恋愛小説も何気ない生活を供に生きる男女を描いた作品が増えてきました。とはいえ日々の生活は毎日ゆっくりと変わってゆくものです。人に心がある限り永遠は存在しないと言えます。これは悲しいことかもしれませんが、身に起こることを受け止めて少しずつ前に進んでゆくことが、成長させるのだと感じています。
結婚という形式に囚われず供に暮らしいつの間にかお互い無くてならない存在になったことを話してくれた友達がいます。彼女が言うには「今別れてしまったら今のような関係を築ける男性に出会わないかもしれない」ということです。こうした話を聞いていると生き方はそれぞれ異なりますが、苦楽を味わってきたからこそ優しく強い絆が生まれ、いつしかお互いの思いやりに結び付いてゆくと感じます。こうした関係はまるで大人恋愛小説のようでとても素敵だと思いました。