「青春」という言葉に過剰に反応してしまう自分がいます。ここ最近10代が主人公の映画をよく観ているからかもしれません。遠い昔となってしまったあの頃のことは上手に思い出すことができませんが、初々しくて清々しい作品に触れていると懐かしさと供に今の生活をもっと輝かせたいと考えるようになります。「あの頃色々なことがあったけれど未来は限りなく続いていた」と思うのです。
お気に入りの映画に小説家を目指す中学生の女の子が主人公の作品があります。好きな男の子が夢を実現させるため海外へ旅立ったことから彼女も書きたかった小説の執筆を始めます。受験勉強はひとまず置いておいて、とにかくひたすら原稿用紙と向かい合う主人公の姿はいい表情をしていて素敵でした。そして小説を書き終えた後に見た真冬の空に太陽が昇る光景は恐らく生涯忘れることのない宝物になったと感じます。この作品のエンディングロールを観ながら「どうか小説を書き続けて欲しい」と心から願ったのでした。
年を重ねると自分に嘘をつくことが上手になるものです。なぜならばそのほうが楽に生きてゆけるからです。でも青春を舞台にした作品を目のあたりにするとそんな自分にカツを入れたくなります。「やりたかったこと」「諦めてしまったこと」が心に浮かんだ時、ただ何も考えずがむしゃらだった10代の勢いをまた再燃させてもよいのではないかと考えるのでした。