愛に恵まれた人生をまっとう出来ることは幸せだと感じます。心を満たすささやかな幸福を感じることは、心を強くさせるからです。一匹オオカミのように前に突き進む攻撃的な生き様も素敵ですが、誰かの助けや心ある温かい言葉をかけてもらうことで優しさを与えられることも多いものです。それは家族や友達との関係だけではなく恋愛においても同じことが言えるのではないかと思っています。
今から数年前に観た小さな物語が散りばめられた映画には、ちょっとした幸せがたくさん盛り込まれていました。特に印象に残っているストーリーは、男性がクリスマスイブの夜にフィアンセがいる女性に恋心を告白するシーンでした。彼の親友でもある婚約者と過ごす家を訪れ、声には出さずに紙に言葉を書き込み、気持ちを明かした場面は今思い出すだけでもとても情熱的な気分にさせてくれます。親友と結婚する女性に文字を通してそっと胸のうちを明かすところが、どこか微笑ましくもとても切なく感じました。そして告白を受けた女性が何も言わずに涙を流すところがいつまでも脳裏に焼き付いています。
誰でも一度はかなわない恋を体験するものだと思います。しかしながら、当たって砕けるか諦めてしまうかでその後の生き方は少なからず変わってゆくものではないかと感じるのです。また人から強く愛された経験を持つことは、自信に繋がるものだと思います。様々な形がありますが、一方的ではなく他者に対する思いやりが詰まった愛を持つことは素晴らしいことだと心から感じています。