道を歩いていて猫に遭遇した時、顔や仕草をじっくりと眺めてみることがあります。まじまじと観察していると表情豊かで、顔立ちがそれぞれ異なる事に気付かされるものです。当たり前のことのようですがそれを知った時、私はとても嬉しくなり散歩をすることが楽しくなったものです。どっぷりとして体格がよくてケンカが強そうなツワモノや丹精で切れ長の目をした美しいメス猫などを目にすると彼らの世界にも人間界同様に「モテる」や「イケメン」という言葉が存在するような気がします。そんな動物観察が最近の楽しみとなりつつある私が数日前に読んだ小説には美人をいう言葉がピッタリのメス猫が登場したのでした。主人公の女性が住む家の近くがテリトリーのようで、いつもどことなく現れてはひっそりと物語に花を添えていました。単独で登場して憂いを持った表情で座っていたり、愛らしい鳴き声を発したり、ボーイフレンドと一緒に仲睦まじくしていたりと彼女のライフスタイルのチャーミングさが私のハートを掴んだのでした。また丁度良い距離感で彼女を優しく見守る主人公の姿にとても好感が持てました。猫達にも彼らの暮らしがあることを思うと、私も陰ながら眺めて見守ってゆきたいと感じるのでした。