先日上野の西洋美術館で行われたモネ展に行ってまいりました。
去年から長く展示がされていたものの中々行く機会に見舞われず、2月11日に終了してしまう前にと慌てて予約。
2月に入ってからはラストスパートということで普段は17時で閉まってしまう当館ですが、夜まで開いていて、より多くの人が来館できるようになっていました。
私自身はお昼前に入場できるチケットを購入。以前休日に前を通りかかった時、テーマパークかと思うくらい並んでいたのを見ていたので、平日なら多少はましだろう、と思って平日に赴いたのですが……
甘かったですね(笑)
当日の行列は相変わらずで、待機列にいる間に調べてみると、「モネ展」と入力しただけでサジェストで「混雑」と出てきて、初日からずっとこうであったことが伺えます。
さて、ともすればゆっくり観るなんてことが叶うわけがなく、結論、人と人でぎゅうぎゅうになって落ち着かない2時間半を館内で過ごすことになりました(笑)
もしかしたら2時間半という時間は人によっては大分長く感じるかもしれませんが、個人的にキャプションも展示も時間をかけてかみ砕きたいタイプなのでいつもこうなります。
すし詰めのような空間ではあったものの、人の波を潜り抜けて目の当たりにしたモネの絵画は美しいの一言。特に若い頃の作品では、同じ景色を違う時間帯で何枚も描いた連作があるのですが、時間ごとの空気感や大気の色が繊細に表現されたライトブルーやローズピンクに息を吞みました。
モネはその壮絶な人生を送った晩年、自宅に作った池の睡蓮の絵を描き始め、多くの「睡蓮」を世に残すのですが、日本の風情や情緒に強く影響を受けたといいます。モネが睡蓮を描くとき、段々と周囲のものを描かなくなり、水面とそこに映る情景と花で周囲を描くようになったことは知っていましたが、それが日本由来だとは知りませんでした。
そして、私が特に心打たれたのは、モネが白内障になり色が正しく認識できなくなった時に描いた絵画です。日本の太鼓橋を基に作った彼の自宅の橋を描いているのですが、描写対象がどんなものか定かではない輪郭と色合いで、健常な人間では知り得ることのない視界を垣間見ることが出来たように思います。
見終わった後の充実感や満たされた感覚も心地よかったですね。
定期的に展示や美術展に行くのがやめられない理由の一つです。