手段を択ばず本気で獲物を捕らえようとする女性は、気合いが入っており恐ろしいものです。そこに執念が加われば、恐ろしさは倍増するのではないでしょうか。先日読んだ小説には、そんなちょっと怖い女性が登場します。可愛らしいルックスやほんわかした表向きの表情とは裏腹に、強く敵対視するライバルに対しての顔は全く異なっておりました。そのため「絶対敵にまわしたくない」と心から思い、少し身震いをしたものです。
しかしながらその反面、ここまで徹底した表と裏を使い分ける術を持っていることに少し羨ましくも思う私がいました。こんな風に振る舞うことができたら、怖いものなしだと感じたからです。そして読み進めてゆくうちに、彼女がこうした行動をとる深い味を知ったのでした。そこには大切な人を失った苦しみや悲しみが潜んでいました。
人は簡単には変わらないと思う反面、心に宿る消すことができない大きな悲しみにうちひしがれた時、変化することは必然的であり、たやすくもあると感じました。また同時に喜びや幸せによって、いくらでも人は変わることができることも学んだのです。こうしたことから人間の奥深さを改めて感じと共に、他者に対する考え方や受け入れ方を改めて考えさせられたのでした。