小説が原作の傑作とも言える映画を観ました。男と女、お金といったこの世にある難題をテーマにしたこの作品は、大人向けコメディとでも申しましょうか。しかしあまりにもシュールなため大笑いをすることは出来ず、思わず含み笑いをしてしまうという表現が合うのではないかと感じました。
アクが効いた主人公の女性は、結婚相談所の社長と組み、出会った男性から多額の金額や不動産を巻き上げてきました。また頭の回転がよいため、男性の心を自分のものにすることに非常に長けています。特に泣き落とす演技などは天下一品です。私もこんなに上手に達振る舞うことが出来たら、どんなに楽に生きることができるだろうと思ったほどです。でも人生はいつだって上手くゆく訳ではありません。歯車が狂うことでまるでループのように転げてゆく後半のシーンは、何があっても悪事を働いてはいけないという当たり前のことを突きつけられます。そしてお金とは一体何か、真実の愛とはこの世にあるのだろうかとい今目の前にあることを疑うような感情にもなったのでした。
この映画の原作となった小説も非常に面白いそうで、是非とも読んでみたいと思っています。個性的で憎めないキャラクター達がどんな風に描かれているのかを考えただけでもワクワクするし、映画とはまた違う世界を垣間見ることが待ち遠しいです。